第50話




「莉茉、大丈夫か?」




「……暁…」




身体をびくつかせた莉茉の顔を覗き込めば、その表情が和らぐ。




「大丈夫だ、莉茉。こいつらは、顔は厳ついけど、皆良い奴等だから。」




「うん。」




頷いた莉茉の視線がゆっくりと、組員達の方へと向けられた。




「あの、」




俺の裾を掴む莉茉の手に力が入る。




「……莉茉です、よろしくお願いします。」




おずおずと控え目に頭を下げた莉茉に、組員達の厳つい顔が一斉に緩む。

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