第36話




“家族の一員”





それは、私にとって一番、縁遠い言葉で。




『何で私はあんたなんか生んでしまったのかしら。』



母の声が蘇る。




生みの両親からさえ、私は家族として受け入れてもらえる事はなかった。




『あんたなんか生まれてこなければ良かったのよ。』




一番、私に冷淡だったのは母で。





向けられる蔑むようなその冷たい瞳と言葉に何度、胸を痛めたんだろうか。

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