第25話




ふと、頭の中に閃いた妙案に心が傾きそうになるが……。




「…………暁?」




そんな俺の格闘も知らず、不思議そうに首を傾げる莉茉に、何とか思い止まらせる。




「いや、何でもねぇ。」




せめてもと、莉茉の甘い香りを堪能しようと華奢な身体を引き寄せた。




「莉茉、今から実家に行く。」



「……、実家って、暁の?」

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