第62話

「うん。行く。」


多分今、あたしの顔は真っ赤だ。


想像がつくのに、意地悪な廣田くんは


「上野さん、どうしたの?

顔、真っ赤だよ?」


って、クスッと笑う。


また、廣田くんだけ余裕。


あたしはこれから、廣田くんの家に行くことを考えただけで、こんなにドキドキしてるのに。




廣田くんは伝票を手に取り、


「行こうか。」


と席を立った。


あたしも席を立つ。



レジでお財布を出そうとしたら、手で制止され、


「カッコつけさせて?」


って、とびきりの笑顔を向けられ、心臓が跳ねる。

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