個室から出て

「もしもし、創くん？」

「美咲？…カラオケにいる？」

「うん。早苗たちと。どした？」

「どこのカラオケ？迎えに行ってい？」

「来てくれるの？

『あお』だよ。」

「ん。今から出る」

「わかった。またあとで」

個室に戻り、

「ごめんなさい。用事ができたので先に帰ります。」

「え？用事って？」

「カレですよ、カレ」と早苗。

「美咲、彼氏いるの？」

「いるんですよ、ね？美咲っち。」

「うん。ということで、すみません。」

「送ろうか？」

「田原さん！？美咲っち、カレ、迎えに来るの？」

「うん。」

「じゃ、カレが来るまで一緒に外で待つよ。」

「ちょっ、たは…んーっ？」

飯塚さんが早苗を羽交い締めしてる…口を押さえて。

仕方なく、田原さんとカラオケのあるビルを出て、外に出る。

「あ、来た！じゃ、田原さんおやすみなさい。」

ハザードを出してビル前に停まった車に駆け寄る。

創くんが中からドアを開けてくれ、車に乗り込む。

窓越しに田原さんに頭を下げる。

複雑な顔をした田原さんが見えたけど、アタシはすぐ進行方向を見た。

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