2-3 邪教の使徒との戦い
<前回までのあらすじ>
アザービーストのうろつく村の中へ決死の潜入捜査を行ったピッピ。村人たちが教会に集められていることをつきとめたピッピは仲間の元へ戻る。PCたちはピッピに先導され、アザービーストを避け教会を目指す。
ピッピ:「ここが村人の集められている教会だっぴ」
セリーナ:突入前に支援魔法をかけておきましょう。【フィールド・プロテクション】でダメージ軽減の加護を祈っておきます。
ピッピ:じゃあピッピは〈コモン・ルーン〉で【カウンター・マジック】を拡大して全員に、【エンチャント・ウェポン】を拡大してセリーナお姉ちゃん以外の3人にかけとくっぴ。
セリーナ:あっ、《魔法拡大/数》習得してないのに拡大で魔法かけて! GM、ピッピちゃんがズルしてます!
ピッピ:ズルくないもん、〈コモン・ルーン〉はこれが正しい使いかただっぴ!
《魔法拡大/数》
単体を対象にかける魔法を複数体ぶん一度にかけれるようになる戦闘特技。
『ソード・ワールド2.5』ではこの特技なしで魔法を拡大することはできないのだが、なぜかピッピがオーファンから持ってきた〈コモン・ルーン〉は特技なしでも拡大することができるらしい。
ガンデイン:そんなに拡大したら精神力ごっそり減るんじゃねぇか? 【カウンター・マジック】までかけるのはやりすぎだったかもしれねえぜ。
ピッピ:ちょっとハリキリすぎたかも。
GM:では準備はできたかな?
アロン:「よし、じゃあ行くぞ、1、2の、3!」
セリーナ:「どかーん!!」扉を蹴り開けます!
鞭を持った男(GM):「な、何者だ!?」
アロン:「通りすがりの悪の敵だ」
ガンデイン:「降伏するなら今の内だぜェ!」
セリーナ:「神妙にしなさーい!」
ピッピ:「そうだそうだ! 神妙にしろっぴー!」
鞭を持った男(GM):「どこの馬の骨か知らんが、返り討ちにしてくれる。我はモーガン。ヒューリカー様に【レベレイション】をかけていただきラーリスの神官となった身だ。為したいようにことを為すのみ!」
【レベレイション】
10レベルの高位神官が使うことのできる神聖魔法。神を表すシンボルが意匠に組み込まれた〈聖印〉を作成し、新たな信者に渡すことで
ガンデイン:【レベレイション】!? じゃあレベル10の神官が裏で系引いてるってことかよ!?
アロン:裏にそれほど高度な神聖魔法を使える神官がいるのか……きな臭くなってきたな。
セリーナ:「ヒューなんとか……知らない名前ですがとにかくお縄です!」
GM:モーガンが口笛を吹くとセリーナが蹴破った扉から2頭のアザービーストが入ってくる。それじゃあ、このまま戦闘になるよ。男のデータを知るためには目標値8の魔物知識判定が必要だ。
セリーナ:(コロコロ……)見切りました!
GM:モーガンは魔物図鑑サプリメント『モンストラスロア』記載の人族エネミー、『魔道に専心する魔法使い』にラーリスの神聖魔法を習得させたものになる。先制値は12だね。
ピッピ:先制判定は(コロコロ……)18だっぴ。
GM:それじゃあ、君たちが先攻だ。戦闘ルールは今回は上級戦闘を使用する。背後5メートルにアザービーストが2匹。前方10メートルにラーリス信徒が配置され挟み撃ちの形になる。さて、誰から動く?
ガンデイン:んじゃ、範囲射撃魔法の【ショットガン・バレット】を後ろから迫る2頭のアザービーストに向けて撃ち込むか。(コロコロ……)命中13でどうだ。
GM:2体とも当たるよ。ダメージちょうだい。
ガンデイン:(コロコロ……コロコロ……)1体は15点、もう1体は18点だ。
GM:アザービーストのHPは32点だからほぼ体力半分けずられるダメージだね。
セリーナ:私は……とりあえず†力†ですね。
ガンデイン:【フォース】な。
セリーナ:2倍拡大でアザービーストたちに…! (コロコロ……)行使判定で6ゾロです! ダメージは…11点と、クリティカルして20点入りました。
GM:クリティカルした方は倒れたよ。
アロン:残り1体は俺が引き受けるよ。
アロンの《二刀流》による連続攻撃でアザービーストは全滅。早くも残るはラーリス信徒の男、モーガンだけとなった。
ピッピ:3メートル前に移動して、モーガンから皆んなへの射線を切って、ナイフを投げつけて攻撃するっぴ。ダメージ6点。
【射線を切る】
上級戦闘時に射撃攻撃や魔法による攻撃を行う際、攻撃するキャラクターから目標のキャラクターがしっかりと視認できる必要がある。
ピッピが前進し、ラーリス信徒から味方への視線を遮る遮蔽となることで魔法攻撃を一手に引き受けることができる。
GM:じゃあモーガンはセリーナと同じく【フォース】でピッピを攻撃しようかな。行使判定は(コロコロ……)14だ。
ピッピ:そんな魔法、【カウンター・マジック】のコモン・ルーンで抵抗力を上げたピッピには効かないっぴ!(コロコロ……)19で抵抗して、ダメージを半減するっぴ。
アロン:ピッピ、君には[マナ不干渉]があるんじゃないか?
[マナ不干渉]
攻撃魔法への耐性が高いことを示すグラスランナーの種族特徴。
攻撃系の魔法にキャラクターが精神抵抗判定を行い成功した場合、通常は受けるダメージが半分になる。[マナ不干渉]を持つグラスランナーの場合、精神抵抗判定に成功した魔法は消滅し、半減どころか一切のダメージを発生させない。
ピッピ:あれ? まったく痛くもかゆくもないっぴ。へなちょこ神官っぴねえ。
GM:手駒を失ったモーガンはピッピに魔法がまったく効かないのを悟ると、おもむろに口を開いた。
モーガン(GM):「神は言った。汝の為したいように為せと。我は我の為したいことを為す。すなわち……命乞いである」
ガンデイン:「命乞いなら、攻撃する前にしろや! なんでちょっと倒せるかな、みたいな感じで攻撃してから降伏するんだよ」
モーガン(GM):「我も悪い邪教の高位神官に【レベレイション】をかけられた犠牲者である、とは思わないかね?」
ガンデイン:「さっきまでノリノリで鞭振ってたよなぁ!?」
アロン:「【レベレイション】はかけられた側が受け入れなければ神官としての技能は得られないよ」
ピッピ:「命乞いが下手くそっぴ」
アロン:「まあ……俺だって無暗に人の命を奪いたいわけじゃないから、命乞いそのものは聞いてもいいけど……」
ガンデイン:「兄貴がそう言うなら。じゃあとりあえず縄で縛っとくか……」
狂神ラーリスの信徒を捕えることに成功した冒険者たち。しかし教会の中には魔剣を持つ魔神は見当たらない。次回、その辺りの情報を吐かせるべくラーリス信徒への尋問が行われる…!
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