第119話
ユウヤの手には特殊メイク仕様のマスクが握りしめられていた。彼はそれをゴミ箱に投げ捨て、「オガさんはまだ寝てるのか?」と声を発した。
苛立っているようなユウヤの態度に、ナオトは若干動揺しながらも「う、うん」と頷く。
「まだ二日酔いが抜けないみたい。さっき薬飲ませたよ」
「そうか…オガさんに話すのはまだ無理だな」
「どうしたの、ユウヤさん?」
「風見桐子が殺された」
ユウヤのその一言に、その場の空気が一気に変わった。ナオトは目を見開き、リュウジは「何だと!?」と声を荒げた。
「おい、ユウヤ!風見桐子って…」
「ああ、オガさんと一緒に武器の調達を手伝ってくれてた。その条件で復讐を思い止まらせていたのに…」
心底悔しそうにこぶしを握り締め、ユウヤは歯を噛み締めた。
ナオトもリュウジも風見桐子とは面識があった。レッド・ティアーズに入る事はなかったが、元加害者として何か協力したいと懸命に訴え、日本大国が変わる事を切に祈ってくれていた。
レッド・ティアーズに万一の事が起きても迷惑を被らせないよう、彼女には表立った行動は取らないように言い聞かせていたのに…。
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