第91話
「…いってぇ~。何すんだよ、冴島!教師が生徒を体罰か?校内暴力反対!」
「お前という奴は、道孝の時で懲りてないのか!歓迎会だと、却下だ却下。さっさと席に着け、このバカ!」
言いながら、冴島は丸めた教科書で良の肩やら背中やらを叩き続けている。良が叩かれている姿を見て、最初はきょとんとしていた美希だったが、真似がしたくなったのか、机の上に置いてあった自分のノートを同じように丸め、ぶんぶんと振り回し始めた。
「み、美希もぉ…!りょ…、ニイちゃん頭出す!」
美希はノートを両手で持ち直し、まっすぐ良を見据える。決して冗談ではない真剣な目に、良は思わずたじろいだ。後退りし始めた良の姿に、亜利寿、道孝、冴島の三人は思わず苦笑する。
そんな中、カナエは情けない表情を浮かべる良を見て、「やっぱり違うかねぇ…」と、一人呟きながら首を横に振った。
「いくら他人の空似とはいえ、何であんなバカが彦一さんとそっくりなんだか…」
カナエは自分の首元に視線を落とした。
そこには十八歳の時から首にぶら下げたままの、傷だらけのホイッスルがあった…。
† † †
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