セナ
第24話
ジャスミンはその小説の噂を聞き、使用人の目を盗み、読んでいた。そして「なんて尊いのでしょう」と感動していた。自分のこととは知らずに。そして、ある部屋に入る夫の姿を見た。
聞き耳をたてると、夫とセナらしき声が聞こえた。
セナは「良かったですね」としか言わなかった。ベンジャミンは「きみには頭を下げても下げきれない。ありがとう」と言った。セナは息子のことが気がかりで、「いえ、なんでもないことなのです。ところで、ミルはどうしてますか」
そこで、ジャスミンは、ベンジャミンが自分以外の女の人に"ありがとう"と言ってるのが耐えられなく、部屋の前から逃げ出した。ベンジャミンは部屋の外から音が聞こえたので、「ちょっと待ってくれ」とセナを止め、部屋の外に出た。部屋の外には誰もいなかったが、かすみ草が1輪だけあった。
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