第30話 2度目のデート
戒斗が記憶をなくしてから2週間以上が経ちました。
私は今彼とデートをしています。彼からしたら初めての。私からすれば2度目のデートです。
でも、彼の見る景色はきっと全てが物珍しく目新しいのでしょう。デートの終始彼の目は輝いていましたから。
でも何故でしょうか。初めてのデートより今の方が楽しいのです。
記憶をなくしてからの方が戒斗は明るくなったというか小学生のような純粋さが。私には性に合うのでしょか?
でも、今の戒斗を見ていると苦しくて、辛くて、情けなくなるのはまだ私が私を許せないからだと思ってます。
そうして、彼と2度目のデートをしていると、もう何回も放映されてる映画を観て、内容も覚えてしまえるほどに有名な映画なのに。戒斗と一緒に観てる私は心が苦しい……
もう観慣れて反応出来ないはずの映画に初々しく、映画の一コマ一コマに反応する戒斗。『もう映画はいいや』と言っていた彼の面影はもうそこにはありませんでした。
今の私は、彼を愛せるのでしょうか?
そう思考がまわり始めると共に映画が終わると、戒斗は笑顔でこちらを見てくる。
戒斗:「牡丹、泣いてるの?」
私は戒斗の言葉に反応出来ずそのまま戒斗を抱き寄せていました。
戒斗:「どうしたの?大丈夫?そんなに悲しい映画だった?」
牡丹:「違うの……ごめん……」
戒斗:「謝らないで……牡丹は悪くないよ。」
牡丹:「どうして?」
戒斗:「分からない……だけど、牡丹が謝ることじゃないと思う。」
牡丹:「ありがとう……戒斗……」
私はもう悩むのは辞めにした。
記憶があろうとなかろうと戒斗は戒斗。
私が好きな人。
愛してる人。
私の告白を受け止めて付き合ってくれてる人。
私の唯一無二の恋人。
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