第6話 トキヲコエテユク






 もうこんなにも時間が流れたね

 あの場所が失われたことを知る

 記憶の中にいる君の輝き

 眩しくて ゆっくり目を閉じる



 心に過ぎ去る優しい思い出たち

 新しい幕が開くことを信じたあの頃



 旅立つ日は風が強くて

 君の涙を見えなくさせた

 ふたりの悲しみ きっと

 茜色の街並みが溶かしてくれる




 机の上に残された色褪せた過去

 余裕なふりして投げ出した夜

 心のざわめき消えないまま

 部屋の灯りを落とした



 あの日の想いどこかへ向かうなら

 教えてほしいことがあるよ



 君と出逢えたことの意味を

 いま確かな足跡として繋ぎたい

 積もりゆく言葉のかけらの未来

 茜色の心のフィルムに刻まれているから



 手紙の終わり

 精一杯の願いを込めて

 温かいハートを宇宙へ紡ぐよ

 



 

 

 


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