第16話
風邪薬を飲んで大人しく寝ていたら、風邪はすっかり良くなった。
二日前に置いていったパンはまた当たり前のようになくなっていた。
「はぁ」
私はどうしても、どうしてもあの子を手に入れたいのに。
姿を見せてくれないならどうしようもない。
いっそ、あの童話のようにパンのかけらをうちの前までまいてみようか。
うーん。完全に手詰まりだ。
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