第18話

よく見るとその(元)さえずりさん(候補)も私とは少し違う変な下手な鳩Tを着ている。


不可抗力ペアルックだ。



それにしたって…何というか…凄く……。



こく、と喉が鳴る。


涎が出そうになりながら、気付いたら間近に寄っていて。



その瞬間、ぱち、と彼の瞼が上がった。



「わぉ!?」


当然声を上げたのは私の方だ。



まるで翡翠を埋め込んだかのような眸に朝日が光っている。彼は暫くぼーっとした後、目の前に手を持って行ってグーパーグーパーしている。何だ何だ?


「……」



眩しい。



そう思った時、視線を上げた彼と不意に目が合って、驚いた私は急いでベッドを出ようと——



「待って」


手首を掴まれ、引き戻される。



更に強い力で引かれて、あれよあれよという間に抱きしめられていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る