第4話

何故か大人になってから知った、生理前のメンタルの所為かもしれない。




「……」



そう思って開いた生理日管理アプリ。


開くなり悠々『ログインしてください』の表示が出てきていらっとしてしまった。



もういいや。



そろそろ変えなきゃな、と思っている水飴を模して施された長い爪でアプリを飛ばして画面を消す——



前に、コミュニケーションアプリを開いた。



十数分前に確認した時と何ら変わりない。新着メッセージは0。


スクロール。

連絡を期待してしまっているアイコンの持ち主は、もう随分下の方に行ってしまった。



それが悲しくて、再度長いネイルが音を立てて画面を叩き、アプリを終了、画面を消した。





「(“しにたい”。…それが生理前じゃなかったらどうするかな)」





真っ暗になった液晶画面に、今にも泣き出しそうな自分の顔が映っていた。

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