続・kissの反対は?
第30話
――――――……
今日も二人は、夜空の下を歩いています。
嗚呼。
でもどこかの二人とは違います。
だって彼は――ここだけの話ですが――幾度となく手を繋ぐのに失敗しているんですから。
彼女の純粋さを侮ってはいけません。
プッ。
片方は、む、と唇を突き出して。
片方は、そんな横顔を愛しそうに見つめて。
「いいじゃん、そんなの…」
「よくない」
さて、どちらがどちらなんでしょう。
…予想、つきますか?
「なんでそんな…」
「だって、」
そう言いながら片方は、見下ろしたもう片方の頭をぐい、と自分の方に引き寄せます。
そんなさりげない仕草にドキリとしながらも、平静を装うもう片方。
「あー…俺が勝って真実を食べるつもりだったのに」
「!?」
そう言って、ペロリと舌舐めずり。
うひゃあ…。
「まさか真実に負けるとか、有り得ねえ」
…そう、あの後『vs』の話はどうなったのかというと。投票制だったわけですが。
『うわ、票が真っ二つなんですけど!』
『互いに譲りませんねー』
ひそひそと声を潜める、投票を開催した新聞部。
そこに、一人の女子が声をかける。
『私真実に投票です、はい』
差出されたのは、もちろん票。
『あ、はい確かに。…と、いうことは!?』
『いうこと、は…!?』
はい。そういうわけです。
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