星々の交響曲扉を開けて

ミデン

第1章:宇宙の夢

真琴は、夜空に広がる無数の星々を見上げながら、静かな思索にふけっていた。彼女が暮らす小さな町は、人工の光が少なく、夜になるとその美しい星空が目の前に広がる。幼い頃から、彼女は宇宙に憧れを抱き続けていた。夜空を見上げるたびに、無限の可能性と未知の世界に心を踊らせる。


「いつか、あの星の中のどれかに行けるんだろうか…」


真琴の心に描くのは、星々を旅し、宇宙の神秘を探求する冒険の姿だった。しかし、彼女は普通の高校生であり、その夢が実現するのは難しいと感じていた。周囲の友人たちは進路を決めていく中、真琴だけは一歩踏み出す勇気が持てずにいた。


「宇宙に行きたい…」そう、何度も心の中で呟くが、現実には何も変わらない。そう思いながら、彼女は高校生活を淡々と送る日々を過ごしていた。


そんなある日、学校の掲示板に鮮やかなポスターが掲示されていた。それは「ボイジャーのプロジェクト参加者募集」の告知だった。プロジェクトの内容を読むにつれて、真琴の心は高鳴り始めた。ボイジャー探査機が地球を離れ、数十年にわたって宇宙を探索してきた成果を、学生たちが解析するというのだ。これは、彼女の夢が叶うチャンスではないか。


「私は…これに参加しなきゃ!」真琴は心の中で叫んだ。すぐに、参加申し込み用紙を取りに走った。


その日以降、真琴は学校での授業が終わった後、図書室でボイジャーや宇宙探査についての資料を読み漁った。彼女は宇宙に対する知識を深め、ワクワクする気持ちを高めていった。どんな発見が待っているのか、どんな仲間たちに出会えるのか、想像するだけで胸が高鳴る。


「宇宙の一部になれるんだ…」真琴は、未来への希望を抱きながら自分を奮い立たせた。


申し込み締切の日、真琴はドキドキしながら申し込み用紙を提出した。周囲には、彼女と同じように宇宙に憧れる仲間たちがいることを知り、少し安心した。これから始まるプロジェクトは、彼女の人生を大きく変える予感がした。


数日後、プロジェクトの参加者が決定する日がやってきた。真琴は心の中で祈るように願った。自分の名前が呼ばれますように。


「桜井真琴!」


その瞬間、彼女の心は一気に跳ね上がった。自分の名前が呼ばれたことに驚き、喜びの涙が込み上げてきた。真琴は、ついに宇宙への第一歩を踏み出すことができたのだ。


プロジェクトの初日、真琴は緊張しながら教室に入った。そこには、同じ夢を持つ仲間たちが集まっていた。彼女の心は期待と不安でいっぱいだったが、この仲間たちと共に、宇宙を目指す冒険が始まるのだと思うと、胸が熱くなった。


「これから、よろしくお願いします!」真琴は微笑みながら挨拶をした。彼女の声には、自分の夢を実現するための決意が込められていた。


こうして、桜井真琴の宇宙への夢が動き出した。新たな仲間との出会い、そして未知の世界への冒険が、彼女を待っている。

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