第24話

『もう誰も私を傷つけないで。

 もう誰も私を苦しめないで。』



何処かの姫がそう言いました。


すると、

姫の周りには誰1人と人がいなくなりました。




『なぜみんないなくなってしまったの?

嗚呼、私のわがままのせいなのね…』



姫は【傷つかずに一緒にいることは無理なこと】と気づきました。




でもどうすることも出来ず、

姫は毎日悲しみのうたをうたうようになりました。




そんな姫に、そこにあった1りんの花が語り掛けたのです。



『嗚呼、悲しみのうたの姫よ。


どうか諦めずに願っておくれ。

幸せというものを忘れないでおくれ。



貴女が幸せなうたをうたったその時が見たい』




姫はその告げの通りに諦めず、幸せを願いながらうたうのです。






―…

いつの日か。


どこからともなく。




姫の美しく、嬉しく響く…。








うたが聴こえてきました。

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