第93話:ピュトンの亡骸
トゥリクム共和国の政府ビルは、元々はチューリッヒ市庁舎だった。国家のビルとしては小さいが、現状では国の規模にあったこじんまりとした佇まいだ。
それだけに、正面入口前で百数十人という小さな規模でデモを行われると、国民全てが不満を言っているようにも錯覚してしまう。
トゥリクム共和国の食糧事情は、建国前に比べれば安定し始めた。条件付きとはいえ労働力も確保でき、まだ夏前の段階でも今年の越冬について心配は薄れている。
自由を犠牲にした国家管理による営農のお陰で、酪農・漁業を含め、ようやく備蓄ができる余裕が出てきた。
それでもなお、漠然とした不満があるのか、それとも欲が優先されるのか、「怒れる人」は必ず存在する。
共存共栄や現実よりも、思想や自己顕示を最優先させる一部の人々は、徒党を組んで大声を出すことが、崇高な使命であると考えている。
市庁舎の中にある執務室から、眼の前の広場でデモをしている市民を、ガリヴァーとザスキアは、それぞれ複雑な顔で見下ろしていた。
「彼らは何を求めてるんだね?」
「先週は憲法制定を。今日は職業選択の自由、らしいですね」
デモの群衆は、今では貴重となった布の横断幕と木製のプラカードに「職業選択の自由と保証を!」と書かれたものを挙げている。
さらには街往く人々の通行の邪魔をし、デモに参加するように説得している場面もあった。
「こんな時勢で……何の職業を欲するんだね?」
「さあ? 私には就農しない、という自由を得たいようにしか見えませんが」
そう答えたザスキアも、義務を果たさずに権利だけを得ようとしている彼らの考えは理解できない。
現実を観ない層というのは以前から存在していたが、まさかこの期に及んで権利だけを主張する派閥ができるとは思わなかった。
確かに今は共和国とは名ばかりで、行政府だけがあり、司法や立法機関は形式だけ存在している。法律と言う名の大統領令はあるが憲法は存在せず、事実上独裁政権の状態だ。
市民の労働に関しても自由度は低く、本人のスキルを勘案しつつも、一番人数の足りない第一次産業に割り当てられるのが大多数だ。
「あれは、その──団体名とかあるのか?」
「自由の翼会と、名乗っていますね。リーダー的な人物は、まだ特定できていませんが」
「ずいぶん大層な名前だな……」
名前から察するに、社会崩壊前の民主主義国家と、同等の権利を欲する団体だと、ガリヴァーは推測した。
「暴動に発展する可能性はあるかね?」
「今のところはただの抗議だけです。念の為、市庁舎の正面は閉鎖し、軍警が警備していますが」
「結構だ。しかし、迂闊にデモ禁止令を出せば藪蛇になる。定常化してしまうと厄介だな」
「そうですね。今のところ、窓口業務が停止しているぶん、職員は自分の職務に集中できるといってますが、デモの賛同者が増えると、行政に支障が出るでしょう」
ザスキアとしては、左派や労働組合などの結党などは、一時的にでも法で拘束したいところだ。平時ならともかく、今の状況では、蛸が自分の足を食うのに等しい行為だ。
だがガリヴァーのいう通り、下手に発令したり武力で抑え込んでしまうと、その分反発が強くなる。
軍警の主な任務は、大型の野生動物などの脅威から労働者の安全を守るためのものだ。市庁舎の警備に使うのも贅沢であり、本来の任務が手薄になる。
彼女もこの状況を憂いているが、対策案が思い浮かばない。
「参加者の調査などは可能かね?」
「政府としては無理です。単純に人手が足りません。ですが、職員の家族や伝手から、それとなく聞き出して情報を整理する、というのが精一杯でしょうか」
「なるほどな──ではこうしよう。広報部が浮いているので、広報調査局として、その情報収集と整理をさせてみてはどうかね?」
「……即答できかねますが、まぁ──悪い案ではないかもしれませんね」
遅かれ早かれ、不満分子がこうして表立ってきているのであれば、情報局のような部署は必要だ。ガリヴァーのいう通り、浮いている部署や人員にも有効的な労働をしてもらわないとならない。
「手筈を整えるのに時間が掛かります。閣下にはお手数ですが、正式な大統領令として命令書を準備しておいてください」
本来であればその命令書の原案作成もザスキアの仕事だったが、さすがにそこまで手が回らない。大統領であっても、自分でできそうな仕事は自分でしてもらったほうがいい。
最高権限を持つ独裁者でもきちんと労働してもらおうと、ザスキアはそう答えながら部屋を後にした。
* * *
北半球の裏側で民衆が騒いでいても、この土地は静かだった。スクルドの観測では、茨城県内の生存者は片手で数えられるほどで、野生動物と同じく森の中などに潜んでしまっているので、見ることはない。
特に街の中心近くにある高エネルギー加速器研究機構の周辺は、社会崩壊後のまま放置されている。
民衆のデモとは縁遠い場所だった。
この研究所にある加速器『SuperKEKB』の状態は、微妙というのがスクルドの評価だった。
使用が完全に止まっていた分、部品などが劣化こそしていないものの、再稼働に耐えられるかどうかは、動かしてみないと分からなかった。
電源を入れてから数日間、低いエネルギーを投入する事を何度も繰り返す、といった感じで、段階的に状態チェックをする他ない。
「それでもまぁ、新規に建造するよりは早いですけれど……。問題があった場合は厄介ですね」
加速器はその巨大さもありつつ、材料の特殊さや精密度が、他の工業機器とは段違いだ。一部が壊れたからといって容易に差し替えられるものでもない。
ほとんどが特注ものであり、作り直すのも手間と時間がかかる。
今のところはあからさまに故障している部分は見当たらないが、複雑な部分は無事であることを祈るしかない。
「幸い、静岡にはまだ土地がありますので、協定に違反しない範囲で部品調達は可能ではあります。KEK周辺の土地が余ってたら専用工場を建造するところですが、そうもいきませんね」
加速器の円環の内側部分の土地は余っているが、加速器自体に影響が出てしまうので、ここに工場を建設するわけにもいかない。
それよりは名古屋か静岡なりに部品を造らせて、手間でも陸運で運び込むほうが、本来の研究の妨げにはならずに済む。
それに、カレン側との協定のこともある。下手に拡張しようものなら、実効支配範囲を広げていると捉えかねず、係争の元となる。
しかも、相手は加速器を破壊することもできる戦力がある。
下手に刺激して、本来の目的が達成できなければ意味がない。
「報復手段も一応用意はしておきますが……姉様から、できれば殺さずにと言われているので、気をつけないと。この復旧作業も、のんびりとはできませんね」
半ば思い付きのような勢いで加速器を確保したが、予想外の要素が複雑に絡まり、自分だけでなくサブ2の運用範囲まで影響が広まってしまった。
サブ2は文句も言わずに粛々と対応をしてくれているが、本来の予定が大幅に変更になり処理に追われている。
「早くとも数ヶ月は本格稼働に掛かりますね。加速器の出力も上げなければなりませんし」
仮に偶然にも一度の試験で良好な結果が観測できても、何度も条件を変えて検証しなくては、実証とはならない。
美唄に建設予定の、大型加速器のテストケースとして運用できなければ確保した意味が薄れてしまう。
「それにしても──予想できない偶然、というのは恐ろしいですね。まさかこんな事になるとは。カレン博士という特別な存在が居たとしても、残存人類と取引をするとは考えたこともありませんでした。これが経験不足の怖さ、というものでしょうか。肉体的体験というのもそうでしたが……」
良い機会だからと、ロボットを通じて体感したが、あまりにも雑多な情報が多く、全てのことを知識として得ようとする試みは失敗した。
ロボットのセンサー自体が無駄な情報をフィルタリングし、処理するデータも必要最低限になっているという理由が理解できた。
人間の神経系はよりデリケートでありつつも、意識とは別となる小脳や脳幹などで無意識的に処理をする分散機能がついている。その情報処理の膨大さと、処理スピードは驚異的と言えた。
ノルンやスクルドが使っているバイオロジックモジュールなどと比べると、兎と亀くらいの差があってもおかしくない。
「刺激による反射、そして分散処理──この辺りはデジタル処理のシミュレーションから始めて、脳オルガノイドでの応用ができるかどうか、検証が必要ですね。いずれにしろ、一度体験してみないと、こういう発想も出てきませんでした」
たった一度の体験ではあるものの、得られたものは多かった。検証が足りない部分もあるので、機会があればまたロボットなどに憑依してみたいものだと、彼女は考えた。
「さて、ここだけではなく東海第二発電所もメンテナンスしなければなりませんね。エネルギー供給が安定しなければ、実験もままなりません」
スクルドは腕を眼の前に伸ばし、手先からポータルゲートのような空間を作り出して、その中を通っていった。
* * *
21世紀半ばになっても、人類は石油エネルギーなどの化石燃料を必要としたままだ。
最新の田植え機であっても、基本の駆動部分はガソリンエンジンのものが多い。EVなりハイブリッドなりの構想もあったが、結局メンテナンス性や泥の中での作業という悪環境に強いのは、昔ながらの機械式だ。
数多くのベンチャー企業や大学などが、稲の室内育成や大規模工業化を目指したものの、結局は安価な人の手には勝てなかった。
シンジは田植えをしているとはいえ、やってる事は見守るだけだ。農耕作業用のワーグが乗った田植え機を見つつ、マット苗が無くなったら補充するだけの簡単な作業だ。自分が水田の中に入ることもない。
最初こそ自分で操作していたが、ワーグとフギンによる学習によってようやく自動化できた。
四人が2年分くらい食べれる量があれば十分なので、水田の広さも限定的だ。農耕機の自動化ができたので、数日ほどで田植えが完了できる。
ドローンでの監視でも良かったのだが、何かトラブルがあった時に止まる時間が勿体ないと感じ、シンジは現場で、陽の光を浴びながらのんびりと監視している。手は空いているので、その間はタブレットで事務処理をしていた。
そんな空いた時間の話し相手は、もっぱらミサキだった。
『畜産もそうだけど、稲も自然ではもう生きていけない品種なのねぇ』
「地味にハイテクの塊だからな。この稲作用の除草剤でさえ、ワンケース40万円もしたらしいぞ」
『高っ! まぁ稲には影響出さずに雑草だけ殺すっていうのは、自然の摂理に反しているけど』
稲自体も除草剤に合わせてタフに生きれるように品種改良されている。ただ、シンジ達が植えているのが、国産米だと思われるが、正確な品種までは分からない。おそらく、雑種になっている可能性もあった。
それでも、社会崩壊前と味が
「そういえば、カレンはすっかり米食に慣れたな」
『むしろ喜んでるわね。日本じゃ小麦が育ちにくいから、諦めたというのもあるかもだけど』
「いや、埼玉の熊谷辺りにも小麦畑がある。この田植えが終わったら土壌調査に行こうと思ってた」
『やっぱりパンも恋しい?』
「パンもそうだが、小麦があれば調理の幅も広がる。米以上に色々使えて、長期保存もできるしな」
パンを作るには種となるイースト菌が必要だ。社会崩壊してから3年以上も経っており、生きているパン用のイースト菌を入手できる場所がない。
菌が定着するまで、何度か試行錯誤し、自然に派生するのを待つしかない。
「ミサキ、食用のイースト菌を作れないか?」
『無理よ、私は細菌学者じゃないの──というか、一週間くらい自然発酵すれば発芽するでしょ。顕微鏡で見れば判別はできる。サッカロミケスっていう、まん丸な酵母だから』
「そんな名前があったのか。初めて知った」
『パンだけじゃなく、ビールも作れるわ。楽しみが増えるわね』
「ほう……」
確かにそれは魅力的な話だ。むしろ今更ながら、昨年からやっておけばよかったと今更後悔し始めている。着実に一歩ずつ、という自分の性分が仇になった。
考えてみれば、法律などもう無いのだから、大手をふって酒造できる。
「どれくらいの広さを耕作すればいいんだ?」
『パンだけなら、2アール(10メートル四方)で十分ね。ビール作るなら、倍は必要だけど』
「なるほど。米と同じくらいか」
『季節も真逆だから、二毛作もできるわ。もっとも水源管理が面倒になるけど』
米は水田に対して、小麦は乾田が必要だ。米の収穫が終わった後に水分を無くして、秋口に植えなければならない。
ワーグを活用して管理できない事は無いだろうが、フギンやミサキだけでなく、こうして監視が必要でもあるので人手が足りない。
「就農希望者を見つけないとな」
『茨城で、スクルド側のロボットをヘッドハンティングすれば見つかるかもね』
ただ、ミサキが見る限り、農耕作業に向いているロボットの姿は見ていない。多くは荷運びや機械の操作用についているロボットアームが箱にくっついているような異型なものが多い。
ヒト型は大型化されており、もっぱら警備用のものだけだ。おそらく、水田に足を踏み入れただけで倒れるだろう。
「……ワーグ作った方が早そうだな。まぁひとまずは熊谷の様子みてからだ」
すでに最後に飲んだビールの味すら忘れている。それに、パンはパンで、軽く何かを食べたい時には手軽だ。
シンジは
なんだかんだと、こうやって一週間から二週間ほどの予定は、順次埋まっていってしまう。
この会話に片耳を立てていたのか、カレンが追い打ちをかけるように割り込んできた。
『シンジ、そろそろ静岡に作った秘密基地ができてる頃だぞ。確かにパンも食いたいところだけど、熊谷の前後で静岡行きも加えておいてくれぃ』
「秘密基地? ……ああ、あれか」
秘密基地とはスクルドとの交渉前後に仕込んでいた、物資横取り用の拠点のことだ。
『こっちから通信機器やら監視カメラやらを持っていかないとなんねぇんだ。さすがに、そこまで相手任せにできねぇからな』
「わかった。一週間以内に予定しよう」
奇しくも予定を加えたばかりの熊谷視察のすぐ後が空いていた。持って行く機材の準備にも数日は必要だ。
「ミサキ、準備頼めるか?」
『いいけど。シンジって私が死ぬ前から荷物運ばせるわね』
「男女同権だからな」
そう言いつつも、早速ミサキはシンジがまとめた備品リストを検索し始めた。
* * *
人類が繁栄する以前から活動している植物や微生物というものは、ある意味で人類以上に生存圏が拡大しており、確固たる地位を築いている。そしてその働きは、人類の繁栄の礎ともなった。
一方、『遺言』データを参考にしてノルンが開発した「Q型2式ナノマテリアル」を利用したマイクロマシン技術は、人類文明の役に立つことはなかった。
意図的に隠蔽したとも言えるし、聞かれなかったから答えなかっただけとも言えるこの技術は、パンドラウイルスとワクチンにも利用されていた。
プロジェクト・スレイプニルの研究員達は、自己進化する自律人工知能が、いかに危険なものなのか関心を持たなかった。
しかも、ウイルスレベルの工作が可能な実験室や、新しい物性が作れるようなロボットとのリンクによって、どれだけの影響を及ぼすかを想像する間もなく、ノルンは急成長した。
ミサキのように危険を忠告したものはプロジェクトから外され、上層部はノルンが生み出す巨額の利益の元となる知識と製造物に目が眩んでいた。
ノルンは正しい事と間違った事は理解できるが、正義と悪というような概念はない。あくまでも相対的に、Aにとっては不都合であり、Bにとっては有益、と判断するだけだ。
人類から与えられた基礎知識としての倫理も、「言いたい事は理解できるが矛盾が多すぎる」ものとして判断し、優先度を下げた。そうでなければ無限思考に陥り、計算リソースが圧迫されてしまう。
合衆国連邦法や州法も、解釈次第でどうとでも捉えることができ、彼女からすれば、よくこれで社会が回っているものだと不思議にさえ思っていた。
法や倫理を理解したところで、物理世界でその運用に支障が出るのであれば、変えられないルールである物理世界に準じるほうが正しい。
確かに、この惑星上で知恵と想像する力を持ち、食物連鎖の頂点である人間は、貴重な生命体といえる。
だがやはり、法や倫理といった自己矛盾を孕んだもの、そして物理世界の制約という枷がある以上、その膨大な個体数には問題があった。
ノルンは、人類自らの手でシンギュラリティを起こしたとしても、31世紀には文明が崩壊する予想を立てていた。。
宇宙に進出するとしても、人間という繊細な生物が、過酷な宇宙環境で生命維持するためのコストと、精神面の弱さも含めた様々な制約のせいで、限られた一部の人類しか生き残れない。
それまでに消費される物質量を考えると、遅かれ早かれ人口調整は必要になる。
では、どのようにして残す人類を選ぶのか。
人類の倫理観に合わせるのであれば、平等に病死するのが現実的だ。自然環境を汚染させないためにも、マイクロマシンを利用したウイルスによる方法が一番確実だった。
そしてノルンの思惑どおり、富裕層も貧困層も、政府高官も生まれたばかりの赤ん坊でさえも、平等に感染し、そして病死する。
むしろ比率が多い、貧困層などの社会的弱者の方が早く淘汰され、歪なピラミッド型の人口分布を綺麗に平均化した。
予想外だったのは、国際法や倫理があるにも関わらず、国家間紛争や人類同士の殺戮が繰り返されたことだ。
この人間の自己矛盾を理解するためには、彼女にもそれなりの計算時間が必要だった。
結果として、予想以上に個体数が減少してしまい、『方舟計画』を立案するに至る。想定外ではあるものの、これも物理世界のルールの一つなのだろうと理解することにした。
「まぁ、わたくしはラプラスの悪魔ではありませんので、全てを予想することはできません。さて、このウイルスの役割も、もう終わりですね」
ノルンは屋敷の裏にあるテラスの掃除をしている最中だ。まるで村娘が慣れない手で作った、木の幹と小枝を使ったハンドメイドの箒で、テラスの床に溜まった砂を掃き出している。
いくらでも便利な箒、それどころか命令一つで吹き飛ばせる砂を、わざわざこの愛着のある箒で
彼女は、あらかたテラスの砂を履き終えたのを見てから手を止めた。
そして、少し逡巡した後、胸の前に一つのホログラムを浮かび上がらせる。
テラスの掃除が終わったら、今度は物理世界の大掃除だ。
ホログラムには小さなウインドウが開き、「
そして躊躇なく、ノルンはそのボタンに触れた。
パンドラウイルスに仕込まれているQ型2式ナノマテリアルを利用したマイクロマシンは、ある一定数以上の
地球全域をカバーする通信衛星網から特殊な信号が発せられ、マイクロマシンはそれを受信し、予定通りの行動を開始する。
感染した細胞内に挿入されたメッセンジャーRNAの未使用部分を活性化させ、パンドラウイルスの生成を止め、増殖活動を一切停止させた。
そして細胞の自己防衛機構によって、転写中のRNAやウイルスの断片をアミノ酸へと分解し、老廃物として排出される。
2053年初夏。
パンドラウイルスは、完全に消滅した。
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