第11話
誰が待っているわけでもない
この店へ行く。
「試作品のブレンド
あの伺いたいことがあるのですが、、
こちらの本をお忘れになっていませんか。
気づいた時にはお姿が見えなくて...」
カウンター越しのおじさまはこんな歳が離れていても、かしこまった言葉で話してくれるのだった。
「連絡もせず、すみません。
保管していただき助かりました。」
ほんと紳士な
ここでの時間は穏やかに過ぎていく。
珈琲と本。好きなものに囲まれて。
至福な
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