第10話

「あの、この前タイミング逃してしまって。

 あの、今度時間のあるときでいいので

 ご飯食べに行きませんか」


実際は1分もしなかった会話が

わたしには5分と感じた。


「ありがとうございます」


小澤さんから手渡された

メモ用紙を持って呆然としている。


【小澤大翔です。ご飯でも行きましょう。

 オススメの本があったら教えてください。

            090-5××6-22××】

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