【世界異次元旅行記】ミスターロコモーティヴと亡国のピアニスト
サトウ サコ
プロローグ『憂鬱な天使』
死者の列の宙高く、世にも恐ろしい天使がひとり。
天使は分厚い本を開く。
閻魔帳と呼ばれる紫紺の本は、運命書かれる不思議な書。
死期が書かれる不気味な書。
異形の天使は死者を見下ろす。
彼らの人生に想いを馳せる。
恋人、家族、友人、同僚。
彼らの隣に誰がいたのか。
例外許さぬ固い閻魔に、冗談めかす友人はいない。
口数すくないぶっきらぼうに、微笑みかける同僚はいない。
神様さえも恐れ戦く、眼光鋭し異形の天使。
閻魔はいつもひとりぼっち。
閻魔はいつも望んでる。
心許せる相手を、話し相手を、友を。
死者の列は延々続く。
閻魔は虚しく列を見下ろす。
死にゆく命に救済を。
死にゆく魂に癒しを。
次の更新予定
2024年10月13日 19:00
2024年10月13日 19:00
2024年10月14日 19:00
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【世界異次元旅行記】ミスターロコモーティヴと亡国のピアニスト サトウ サコ @SAKO_SATO
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