第17話

<side リクト>


俺は昔から女が嫌いだ。


別に親が離婚してとか母親が男遊び激しいとか、そういう理由じゃねぇ。


ただ、ガキの頃から親が共働きだから少し寂しかったってのがあるんだと思う。


その寂しさを埋めるために俺は女に走った。


だけど実際、女は少し笑顔を振り撒いただけでホイホイ寄ってくるし、俺の顔しか見てないしょうもない奴らばかりだった。


だけど… あの資料室で辛そうな顔をしながら俺を見るアイツを見た時、なぜか苦しくなった。


それに告白された時は正直、ビビった。



「じゃあ、私と付き合ってみませんか?」



最初はコイツ頭、大丈夫か?と思った。


でも、アイツは他の女と違う匂いがした。


だから、俺の本性を見せた。


どんな反応をするのか気になったからだ。


それに少しの間だけど、本気で俺を見ようとしてくれた… こんなグズな俺を。


でも、アイツに俺の本性を見せた時から、アイツが俺に近付こうとすればするほど、俺は怖くなってアイツを突き放した。


始まりがあれば終わりも来る、アイツがいつか俺の前からいなくなるんじゃないか、なぜか不意にそう思った。


これがどういう感情かは分かんねぇ。


だけど、アイツが俺に付きまとわなくなったあの日から俺はアイツを目で追うようになっていた。


街でアイツが男連れて歩いてるのを見て、なぜかムカついてわざとぶつかりに行ったりもした。

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