第173話

ファリスはベッドに近付くと、ルーシーをオレから優しく引き離す。


オレはまだ頭が回らず、ただ、事の成り行きを見守る。


ルーシーに本人の服を着せてあげ、ベッド脇に立たせると、微笑みながら言った。


「お姉さん。本当のことを教えてくれる?」


「本当も何も、見たままよ。…………してたのよ。」


ルーシーは、視線をそらしながら答える。


「嘘はダメだよ。お姉さん。」


そう言うと、ファリスはルーシーにキスをした。


以前に、ルーリとしたような濃厚なキス。


オレとカインとケインは、ファリスの行動に、驚いて固まる。


最初は驚いた顔をしたルーシーだけど、抗えず、為すがまま。

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