第92話

リースに向かって降り下ろされたケインの木刀を木刀で受け、ルミエルに向かって降り下ろされたカインの木刀をリースは左手で握って受け止めた。


「…………………………カイン。」


ビクッ!


リースの側にいたルミエル、カイン、ケインは、リースの低い声にビクッとなった。


リースが本気で殺気を放っているからだ。


「オレ………………ちゃんと言ったよね?」


うつ向きながら、静かに言うリース。


「………………………………。」


カインの表情が固まる。


「不意打ちをしていいのは、オレが訓練場にいる時で、オレ以外を狙わないことって。」


「………………………………。」


カインは、視線を泳がせる。


「今………………カインはルミエルを狙ったよね?」


「………………………………。」


カインはリースに圧倒され、俯く。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る