第4話 うずくまった私

「痛いっ・・・」


小さい悲鳴と共に。

私はうずくまった。


買ったばかりのヒールが。

私の踵に靴擦れを作っていた。


我慢していたけれど。

余りにも痛くて。


私はうずくまってしまったのです。


「大丈夫・・・?」

心配そうに覗き込むアイツ。


弱みを見せたくなくて。

顔をそむけたまま痛みに耐えていた。


「えっ・・・?」

ふわりと浮いた感触に声が漏れてしまう。


「よいしょっ・・・」

掛け声と共に私を背に抱いてアイツは立ち上がった。


「ち、ちょっとぉ・・・」

戸惑う声を無視するように、アイツは歩きだした。


コツコツと。

深夜の歩道に鳴り響く。


私は。

抵抗する気持ちも薄れて。


アイツの首に回した腕を。

ギュッとしたのでした。

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