第4話 うずくまった私
「痛いっ・・・」
小さい悲鳴と共に。
私はうずくまった。
買ったばかりのヒールが。
私の踵に靴擦れを作っていた。
我慢していたけれど。
余りにも痛くて。
私はうずくまってしまったのです。
「大丈夫・・・?」
心配そうに覗き込むアイツ。
弱みを見せたくなくて。
顔をそむけたまま痛みに耐えていた。
「えっ・・・?」
ふわりと浮いた感触に声が漏れてしまう。
「よいしょっ・・・」
掛け声と共に私を背に抱いてアイツは立ち上がった。
「ち、ちょっとぉ・・・」
戸惑う声を無視するように、アイツは歩きだした。
コツコツと。
深夜の歩道に鳴り響く。
私は。
抵抗する気持ちも薄れて。
アイツの首に回した腕を。
ギュッとしたのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます