第18話ポン車を輸出販売

ブルーのカラコンを嵌めた鷲部(わしべ)薫(かおる)のニヤニヤ顔は、誰しも受け入れられなかった。


 第八突堤の「ジキルとハイド」又は、「青い眼の死神」という異名を付けられたのも光と闇の二面性を持ち合わせた彼の為せる技であるが、彼と例え1秒でも関りを持ちたくない同業者は半径10m以内に脚を踏み入れる事は無かった。


 ここは、日本の中古車を外国人向けに販売しているサイトで、価格は日本円で5万円が上限だ。5万円未満の車は土産物扱いをされて非課税だったからベトナム人や中国人が挙って買い求め、母国へ持ち運び立派な商売を成立させていた。


 中古車といえども日本でポンコツと言われる所謂、「ポン車」を販売している。

 

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