第16話恋多き女に為る

何処か寂しげな一縷のコメントは直美も聴いていたが、私を放って置きたいの一縷さん?忙しさに感けて私をフリーにしておきたいのなら聖子ちゃんの様に恋多き女に為るわ!

 一縷は、直美の更年期があと2年との計算をしていた。

 2年前の婚約は幻かも知れない。


特に一縷は直美との結婚に対して期待は薄くそれは直美を慮ればこその決断だった。


 フィリピン海沖のラニーニャが消滅し、日本周辺の海洋は、黒潮から寒流に移り変りやがて西高東低の冬型の気圧配置を形成されて、白川郷では初雪が降り、初雪がそのまま豪雪となって秋深し見事な紅葉も今は昔。


 入母屋の古民家が白銀の世界に軒を連ねていた。


「僕の休暇は今日で終わりだから今日は神戸のルミナリエを観に行って明日早朝に岐阜へ帰ろうナオさん?」直美の胸中に隙間風が吹き、寂しくて堪らないオーラに纏われていた。

「私もメリケン波止場で仕事なのよね。

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