第13話「何もない」教えの般若心経

パニック障害の緩和方は、何もかも無かった事にする事だったが、利発な直美が信じてくれるのは困難を極める筈だ。


一縷は、真言宗の経典を開き、「般若心経」


を音読していた。

一縷は紅葉を観ながら違う事を考

えていた。

 それはサステナブルな直美との関係・・・。


「僕がしっかりしなければ・・・。」


直美を愛するが故に己の事業の忙しさに感けて直美に接しなかった罪を認め出来るだけ傍らに居ようと決めた。


 直美の右に左に前に後ろに・・・。


理学療法士ならではの歩容を観ながら寄り添う。

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