偵察②


『どんな感じだ?』


「窓の方見てボーッとしてる」


『トワは?』


「隣で一生懸命、藍子ちゃんって呼び掛けてる」


『藍子に反応はあるか?』


「ううん。動かない」


『そうか』


「あっ!」


『どうした!?』


「惣一郎君と目が合った」


『びっくりさせんな。藍子が気付いたのかと思ったろ』


「藍子は動かない」


『トワ、どんな顔してる?』


「んー、泣きそうな顔」


『第二段階に入ったな』


「うん」


『よし分かった。ご苦労。心実に第二段階だと報告してくれ』


「あい」



期末テスト二日前の夜の出来事である。

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