第21話

行きつけの、しかも地元の店。

店内には見知った顔も幾つかあった。



その数人に「久しぶり」と声をかけながら店の奥に進む。



山中のヒョロリと高く、それでいて華奢な肩を視界の端に見つけて近付いた。



「お待たせ、久し……?って、なんで……」



4人がけのテーブル席の、山中の隣に座っていたのは百田(ももた)。



高校の時のクラスメイトだ。



「阿藤、久しぶり」



「久し……ぶりって、え?どうして2人が」



山中と百田という組み合わせも不思議だった。2人は高校時代、犬猿の仲と言われるくらい相性が悪かったのに。



「まぁ、座れば?」



山中に促されて2人と向かい合う形で座った。



「ごめんね、急に呼び出して」



「そんなこといいよ。それより何か相談があるって……百田も関係あるの?」



私の問いかけに2人が顔を見合わせて……そして何故か照れた。



「いや、ちょっと待ってな?もう1人が来たら話すから」



もう1人?



首を傾げた直後、店の扉についた鈴が鳴って、そちらに視線を向けて……固まった。

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