第30話

「こぉら!なに舞夏泣かせてんのよ」



ドス、と音が響き御園生さんの身体が前に傾ぐ。



「痛って……」



「菅谷さんっ?」



御園生さんが背中を押さえてうずくまり、その後ろに憤慨する菅谷さんと、困ったように笑う八木さんの姿があった。



「み……っ?」



見られた、見られた、見られた


今しがたの恥ずかしい状況を二人に見られてしまった?



慌てて顔を両手で覆って、身体を皆から背けた。

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