第16話
「……別れたくないです」
尻窄みになっていく、弱い自分が嫌い。
「……うん」
御園生さんは、そんな私の言葉を救うように受け取ってくれた。
「舞夏、」
名前を呼ばれて、抱き寄せられた。
御園生さんは肩の辺りで、顔を埋める私の頭をポンポンと撫でながら囁いた。
「好きだよ」
「私……わぶ、」
私も、と言いたかったのに、御園生さんにきつく抱きしめられて顔すら上げられない。
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