第11話

「……御園生さ、ん?」




通用口を出た所で、すぐそばの壁にもたれている彼を見つけた。




「お疲れ」




彼は前を向いたままで、それだけ口にした。




私もその場から動けないままで。




怒って……るよね、これは。




「……どういうつもり?」




久々に聞いた気がする。




御園生さんの不機嫌な声。




「電話も、メールも通じない」



「…………」




「理由、あるなら聞く余裕くらいはあるけど?」




「…………」

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