第8話

御園生さんのすぐ側に、知らない女の人がいたから。




え……、だれ?



見たことのないキレイな人だった。



背中にのびる黒く艶のある髪。


白いコートの上に羽織ったグレーのストールが、まるで御園生さんのマフラーとお揃いに見えた。



二人は、ジュエリーショップで仲良さげに、ジュエリーを手にとっては笑顔で会話を交わしていた。



「舞、どした?」



花衣がジュース片手に私のところに戻ってきた。



肩越しに、私の視線の先に目を向ける。



「わ、美男美女カップルだ!」


花衣の何気ない言葉が、さらに私を動けなくする。



だって、私もそう思ったから。

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