第17話

女子力なんて、0に近い。




……バカみたい。




情けなく思えて、鏡を見ていられなかった。




俯く私の後ろで、彼女達の話は続いている。




「一次会何時からだっけ?」




「んー、19:00からSAKURAで、でしょ?」




「まだ1時間あるし、どうする?」




メイクを終えた彼女達から、少しきつめの、香水が香る。




ローズ、ミモザ、ムスク、ラベンダーに、ベルガモット。




一人一人の香水が混ざりあってなんとも言えない動物的な臭いがする。




彼女達が出ていった後も、彼女達が残した匂いと、会話が私の頭の中でグルグルと回った。




「気分悪い……」




同じ女性の匂いに酔うなんて、情けない話。




しばらく動けず、台の上に突っ伏していた。

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