prologue

第1話

「いいの……か?」




耳元で息を吐くように、彼が囁く。




「いい……だから……早く」




私は夢中で、彼の首に腕を回して力を込めた。




二の腕に直接触れた彼の背中は、じわりと温かい。




彼の唇が首筋に触れて、




彼の指が、私から身に付けている布を剥がしていった。




触れ合ったお互いの素肌が、溶けそうになるくらい熱い。




……好き。




……彼が大好き。




……だから……今だけ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る