第49話

「どういう意味?」



問うた私がニヤニヤ顏の楓から聞かされた、我が身の醜態の事実は2度と思い出したくない。



「まぁ、とにかくお互いに楽しい冬休みになりそうじゃない?4人で遊び倒そうねっ」



「そうだね、」



あそこもいいし、ここもいいと盛り上がっていた話から、急に楓が思いついたとばかりに声を上げた。



「で、クリプレ貰った?」



「うん。コレ」



バッグの中から取り出したのは、あの日伊吹が選んだスノードーム。


三角錐のガラスの中に青や縦縞の魚が泳ぐ小さなアクアリウム。


凄く気に入ってたから、嬉しかったんだ。


伊吹もクリパ用のプレゼントは別に用意して、このスノードームは私にくれるつもりだったみたいだし。



「ふぅん、ラブラブだね」



普段ならからかわれると、照れちゃって膨れてしまうところだけど。



「うん」



今日だけは、素直に喜ぶ事にした。



だって、本当に嬉しいし……幸せだから。













【fin】

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