第22話

普段、前髪で隠している切れ長の目。漆黒の瞳があたしを捕らえる。




「…待ってるから。」




そう言うと、今度は先生から視線をそらし、廊下を歩いていってしまった。




(行かないから…っ。)




その背中に、心の中で叫んだ。











「来てくれたんだな」




物理準備室の扉の前で、動けないでいたあたしの背後で先生の声がした。




驚いて振り替えると、穏やかに微笑む先生が立っていた。




先生は黙って扉を開けて、あたしを招き入れる。

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