第7話
「…誰に不倫なんて云われたか知らないけど…私が不倫なんてするはずないじゃない。そこまで汚くないわよ私」
「…」
「でも…黙っててごめんね。ずっと云おうと思ってたんだけど…、受験生終わるまではそっとしておこうと思って」
頭が真っ白になって、あたしは母の云ってることなんてまったく耳に入ってこなかった。
騙されたのは、あたしのほう。
「…どうして嘘ついたの?」
翌日、挨拶を兼ねて食事を一緒にした。
母と柿崎さん…こいつの父の2人の世界になってしまったときに、あたしは彼に云った。
「…どうしてだろうね?」
「はぐらかさないで!」
「君と兄妹になる前に、抱きたかったんだよ」
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