第11話

「…で?それだけ?」



「それだけって…それだけだけど…」


翌日の昼休み、俺は弁当を食いながら昨日起こった出来事を美奈子に報告していた。






「…なんで煉はキスのひとつでもしないんだよ」


フォークにウインナーを刺しながら俺を睨む美奈子。





「別にさ。キスしない恋愛があったって、いいんじゃないの?」



「何よそれ。今まで一目惚れした人に告って、付き合って、すぐ発展してた人がさ~…」


腕を組みながら美奈子は文句を言ってくる。




「…なんかさ、茉梨乃ちゃんには、そういうことしたくないんだよね…」



「もしかして煉、思いっきり茉梨乃ちゃんって子やらに尻に敷かれるんじゃない?」



「どうして?」



「その子、わがままでお姫様みたいな性格してるんでしょ?そしたら、煉は家来か、せいぜいイケメンな執事ってとこ止まりなんじゃないの」


な、なんてことを言い出すんだ、美奈子は…!

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