気づいて。気づかないで。

第20話

「おはよう」


「お、おはよ…」


ただ、彼から挨拶してくれただけなのに、あたしの胸が高鳴る。




彼はクラスの人気者。


そして1つ年上の彼女がいる。


好きになっちゃいけない存在の人だってわかってるのにあたしの感情は止まることを知らない。






「ねぇ~ちょっと来て」


「あ、うん」


今日もほら、朝から彼女がこの教室までやってくる。


2人の仲良くする光景を見ると、あたしの胸はズキズキと痛む。






お願い。


あたしがあなたのとこ好きだって気づいて。


そして彼女と別れてあたしと付き合ってよ。




…でも。


気づかないでって思う自分もいる。


このままあなたの幸せを願いたいとも思うんだよ。




気づいて。気づかないで。


こんな気持ちにさせるのは、あなただからなの。

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