第12話

やっぱり…ムリ。


あなたに「好き」ってたった2文字の言葉が伝えられない。


鼻の奥がツンとして、涙が出てくる。




拒否されたらどうしよう?


“友情で結ばれてるわけないじゃん。もう俺と一生話さないで”なんて言われたら。


告白した後のことを考えちゃって、怖くていえない。






「花…!」


あたしを追いかけてきた和がパシッと腕を掴んで、動けなくなる。




「勝手に…いくんじゃねぇよ」


「離して…ッ」


「…むり」


「…っ」



和はあたしの腕を引っ張って、抱き寄せる。


身動きがまったく取れなくなるくらい、あたしは和に抱きしめられていた。






「か、ず…?」


「俺…お前のこと…花のこと好き」


「え…?」

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