1章

優莉藍 side

第2話

「好き」






私は教室から出て行こうとする彼の腕を引っ張り引き止めて、ひとつ言葉をつぶやく。




放課後、私と彼、藤ヶ谷誠(フジガヤ マコト)は日直で残っていた。


教室には私と藤ヶ谷の2人だけ。



意外と日誌を書くのに手こずって、下校時刻が遅くなってしまった。












私は彼のことが入学したときからずっと好きだった。



新入生代表で、ちっちゃいあなたが一所懸命になって読んでいるのをみて、


かわいいなあって。


途中で噛んじゃったりして、「頑張れ」って、つい応援してしまった。

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