恋する魚

冬生まれ

1

ママが病に掛かってから半年が過ぎた頃、私を残してこの世を旅立った。


「サヨリ……」

「何?ママ…」


病室のベッドで弱々しく手を握るママに涙を堪えて問いかけると、ママは静かに告げた。


「これだけは、サヨリに言っておくわね…?」

「うん…」

「サヨリ、──────」


そう言い残してママは安らかに瞼を閉じた。私は今もその言葉を胸に刻んで生きている。


後半何を言ってたか忘れちゃったけど……。

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