第7曲目 金管セクション練習 〜チューニング〜
火曜日の放課後、オレは金管の人たちと2年2組に集まった。
「今日は珍しくセクション練習か。結局いつも僕が仕切ることになるんだよなぁ。誰か変わってくんね?」
七星が楽器のチューニングをしながら言った。
「お願いだから、誰か、3年生でも良いから仕切って〜」
「じゃあ七星君よろしく」
「えええぇ!心晴君こそやってよ」
「普段私もやってるでしょ?」
「じゃんけんで決めよ。最初はなかゆび!」
「グーだろそこは!」
「えー、なかゆびしかでなくなっちゃった」
「お前・・・」
オレは苦笑いした。
「しょうがないなーじゃあチューニングBお願いします」
七星が言うと、みんなが一斉にBの音を出した。
「なんか違う・・・」
「何が?」
「こう、なんか。・・・うーん。どうやって言えばいいのか分からん」
「音が揺れてる、とか?」
「ああ、そう!それだ!んじゃもう1回お願いします」
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30分後、七星が言った。
「いいかげん誰か変わって?」
「七星君、セクション福リーダーでしょ?今日リーダーの先輩休みだし」
「もうこの『セクション福リーダー』とかいう座、誰かにあげるわ」
「あげれないだろ、七星」
「そもそもセクションに福リーダーとかいるか?」
「あー、確かに」
そう話しているうちに部活動終了の放送が流れたので、オレたちは急いで片付けをした。
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