ファースト・みっしょん!

雨沢白田ー

ここからがハンバーガー


 この人間はスピラ・カプラ・カルチュリム。

 彼は自らの出自を呪う。何故ならば彼の両親は、キュイール帝国の最も根に深く入り込んだ、反逆者であったからだ。

 キュイール帝国は王への反逆に、斬首刑を以って公共へ晒す事により、それに応えた。この様な文は設定の垂れ流しであるため以下省略。


 どうせ一話目は見られないだろうと、高を括ってませんか? そこに色々と詰め込みすぎ、あるいは無さすぎる覚えは? それとも書けてない? あーっ、スッゲー分かるゥ。

 そんな悩める我らの同志、私の持論を教えてあげよう。一話は読者を惹きつける、肝心な部分であると! 

 ……これ概要で言ったな? まぃいか。

 さてなぜ一話が肝心かって、それは作品にとって、読者の興味を惹きつけねばならぬ部分なわけよ。

 一話を読む読者の殆どって、言わば何も知らないテレビに出てるあの人状態だから、話の流れなんて掴めないでしょ? 付いていけるように、情報を伝えないといけない訳だけど。

 その例えを靴で例えるとしてさ。

 お値段六百ドルのこの靴は、エナメル質感の優雅な履き心地をもたしてくれる。スーツを着こなす者たちに、素晴らしいファッションの一部として——とかぐだぐだやってると離れてしまう訳で。

 でも、この靴はすごい! じゃ何にも中身が伝わってこないでしょ。

 じゃどうするかって?

 今上げた二つの、その間を取る。

 さっきみたいに例えるなら。お値段六百ドル、エナメル質感の優雅な履き心地が味わえる靴。って感じ。

 つまり不足無く、話を掴むのに必要最低限の情報は共有して、かつそれを一話で、あるいは最序盤で全部やれ、後はそこにちょいと作品の魅力を加えろと。

 分かるよ。それ創作小心者には難しい話だって事でしょ? 書くは出来れど、どう読める様にするかは技術だからね。


 それ、教えようか。

 教えてあげようか?

 おねーさんが教えてあげようか♡

 小説を見るより、映像作品や漫画を見て学びなさーいッ!

 確かに私もこういう文章書くよ? でも小説家を気取ろうが映画は見れるし、アニメも見れるよ?

 小説書いてるとは思えない事言うけど、小説は読むハードルの高さに比べて中々技術を得られにくいの!

 それに比べてどうだ、ドラマ見たことあっか? テレビでやってるドラマ知ってるか!? ドラマの毎話事に三十分程でまとめる事が出来る制作陣ぞ!

 聞くんでない、見る描写ってのはぁ! 絵に出来るからこそ、その一つに込められる情報を詰め込めてペースを損ねないし、だからこそ詰め込めねば薄味になるんだよ、薄塩ポテチみたいになぁ!

 分かるか!

 ワカメか!

 ……んないかなぁ。


 とにかく、小説は小説の技術を学ぶのには不向きなの。

 想像は実に頭を使う行為でさ。映像とか、絵ってのは想像の具現化だから、その分を他の事に頭を使えるし、分かりやすいから良いのよ。

 ま、駄作は違うかも知んないけど、それもまた学び。あとボイスドラマも向いてない。あれもあれで想像だからね。

 だからと言って、そういう作品形式がダメって言う訳じゃないよ。技術を学ぶ教材としてはキツイてのんでーよ。る?

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