温かい手を持ってる

ユウ

温かい手を持ってる

プロローグ


 好きな人が出来ました。



 友達と初めて夜の繁華街に遊びに行った時、通りを歩いている彼に一目惚れしました。



 人混みを、彼女の手を取り歩く姿に一目惚れしました。



 その目は優しく、彼女に注がれる愛の深さを感じました。



 彼見たさに何度も繁華街に行きました。



 いつも、隣にいる彼女の肩を大事そうに抱く手が好きでした。



 彼女に笑いかける幸せそうな顔が大好きでした。



 なのに、いつの間にか隣から、彼女の姿が消えました。



 彼の目がとても怖くなりました。



 繁華街で何度も喧嘩している姿を見ました。



 一体何があったのですか? 



 もうあなたは幸せそうに笑わないのですか?



 私の好きな人。



――コータさん。

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