名探偵ねぎとろ②〜白百合の涙〜

第22話

その後の調べで、

犯人と、殺害動機が判明した。

「橘（たちばな）　啓太（けいた）　20歳」

かおりと同じ、児童養護施設に居た男だった。

啓太とかおりは、歳が近い事もあり

すぐに打ち解け仲良くなった。

お互いに初恋だった……だが、

「……チュパッ…チュパ。ペロ、ペロッ…

…啓太？どうだ…気持ちいいだろ？」

「…っ！……うっ！いや…やめ…て！」

「騒ぐと殴るぞ。…レロレロ…ペロッ…」

…仲里は…啓太を脅し

日常的に、性的虐待のかぎりをつくしていた。

特に、オーラルセックス(口腔性交)が…

性癖だった。。

この行為は…啓太が施設を出るまで続いた。

施設で、この行為を目撃した者は多かった…が

仲里の異常性を、恐れて…黙認されていたのだ

そのなかで…かおりだけが、仲里を糾弾（きゅうだん）した。

が、しかし…事態は、変わらなかった。

身寄りの無い、未成年者。

施設から逃げ出す事もできずに

……ただただ、卒園するまで堪えるしかなかった

仲里は、事が公（おおやけ）になる事を警戒し

無理矢理…かおりと婚姻関係を結んだ。

啓太は、かおりより1年後に卒園し…

身元を隠しながら、仲里から逃げていた。

だが、逃げる事に疲れ心神耗弱（しんしんこうじゃく）の

啓太は…仲里を殺すしか無いと思うようになり

自ら、仲里を山中に誘い…殺害に及んだという。

…あまりにも、悲しい事件だった