第2話

「…………ん…」






……ズキズキと、頭が痛む。



最初に思ったのはそれだった。



後頭部の、出っ張っている辺り───

そこがズキズキと…そしてジンジンと痛んで仕方ない。


それに何だかゴツゴツした硬い感触が背中に当たっていて、それもまた痛い。




………何なの、これ……。




私はそう思いながらゆっくりと意識を浮上させて、それから静かに目を開ける。


そして、背中に当たっているそれがアスファルト───つまり地面であるということに気付いたのは、それから少し経った後だった。





「───…は?」





それよりも先に意識が向いたもの───それは、目の前に広がる視界一杯の”赤”だった。


思わず私の口からそんな声が漏れる。

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