第17話

家に帰るなり俺はソワソワしていた。


何度も時計を見て今か今かとその時を待ち、落ち着かなくて一階に下りては冷蔵庫を開け、麦茶を飲む。


さっきからこの繰り返し。




「落ち着きのない子ねぇ…もしかして美影ちゃん来るの?」


「…関係ないだろ」


「たまには優しくしないと嫌われるわよ。あんた口悪いし」


「それはお互い様」


「チューもできないくせに。このヘタレ」


「なっ…!」




うちの母親はちょっとおかしい。


口が悪く、ちょっと捻くれたとこもある。


気が弱く人の良い父親にもしょっちゅう毒を吐いている。しかも楽しそうに。それでも父のことが大好きらしい。


誰かに似てる気もするけど…気のせいか。

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